獣医学科5期の同期会は40周年までは母校に集い近隣の温泉で開催するのが恒例となっていた。40周年を過ぎてからは同期生が居住する地域を会場として毎年開催していた。そして2020年は箱根か熱海で開催することが決まっていたが、新型コロナウイルス感染症の流行が始まり2年間の空白を余儀なくされた。新型コロナウイルス感染症が終息したわけではないが経済活動の停滞から脱却するためにウイズコロナ政策に切り替わりようやく開催の運びとなった。ただ、コロナ感染者数が増加した場合には開催中止もあり得ると開催案内には記された。
熱海市のホテル・リゾーピア熱海を会場として10月18日から1泊で開催された。感染防御を考慮して「贅沢宴会シングルユースパッケージ」だった。参加したのは同期生13名と同期生の奥様1名の合計14名で、いつもの半数程度だった。現役入学者で73歳と結構高齢であり、コロナに感染したら重症化する危険性がある世代である。やはりコロナ感染の怖さが参加をためらわせた理由であろう。私は9月に14期生の卒業40周年の同期会に招待されたが、そのときの参加者は52名であり、きっとコロナ前と変わらない集まりようだったと思う。10歳も違うとコロナに対する怖さがこれほど違うのかと痛感した次第である。
会場のホテルはさすが熱海の豪華リゾートホテルとあって、大浴場は海に面し、穏やかな海の向こうに浮かぶ初島と伊豆大島を眺めながら、実質的な同期会がスタートした。宴会前には既に亡くなった9名に黙祷を捧げ在りし日の仲間を偲んだ。懇談の中心は近況報告で盛り上がった。参加者が少ないため一人一人長めの近況報告が行われたが、むしろ病気自慢といった方が正しいかも知れない。病気を克服した嬉しい報告、今でも病気と闘い病気と向き合う覚悟をする報告など様々であったが、話を聞かなければ見た目は健康な人たちばかりであった。むしろ欠席者の返信ハガキに記された病気のため出席できませんという仲間の健康が気遣われ、早く健康を回復し次回再会できることが望まれた。
あっという間に時間は過ぎ、酪農讃歌の合唱で一次会を終了し、二次会はカラオケで盛り上がった。通常は相部屋が多かったので、二次会後も部屋での宴会が継続し、宴会や二次会が終わっても眠りにつくまでが同期会だった。今回はツインルームだったが、シングルユースで一人部屋。いびきをかこうが歯ぎしりをしようが相手に気兼ねすることがない点では良いが、ちょっと淋しい気もした。しかし、朝目覚めると大浴場で、そして朝食会場で同期会が再開した。
ホテルロビーで最後の記念撮影を行い、帰路につく者、伊豆観光に出かける者、MOA美術館見学に向かう者と三々五々の別れを惜しみつつお互いの健康を祈り、次回長野での再会を誓い帰路についた(文責 加藤清雄)。